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数理情報科学とは

未来への可能性と豊かな社会づくりへの応用

20世紀後半に始まったICT(情報通信技術)革命の流れは、21世紀に入りさらに激しさを増しています。技術は日々更新され、わたしたちの生活はどんどん変化しています。コンピュータと機械や電気・電子デバイスが連携することで、また、それらが情報通信ネットワークで接続されることで、これまでにないサービスが提供されるようになっています。Suicaなどの交通系 ICカードが、鉄道やバスなどの交通機関を利用する際だけでなく、コンビニなどで支払いに使えるようになったのは、その一例です。

 

どんなモノでもそれを購入できるのは、それを作った人だけでなく、それを運んでくれる人がいるからです。物流の世界では、ICTを活用したサービスが展開されています。モノを買ったりサービスを利用するにはお金が必要です。金融の世界でもICTの活用は欠かせません。医療、環境、食料、素材、運輸といった私たちの生活にかかかるあらゆる領域で、ICTを活用することで、これまでにない価値やサービスが創造されることでしょう。AI( 人工知能)が、囲碁でトッププロを破っただけでなく、がん診断に活用されるように。平成28年1月に閣議決定された第5期科学技術基本計画でも、サイバー空間と現実社会が高度に融合した「超スマート社会」の実現が謳われています。

 

そのためには、あらゆる分野でICTのさらなる活用が望まれます。そのICTは、ハードウェア・ソフトウェア・ネットワークが良い形で絡み合うことで、より力を発揮します。数理情報科学はその要です。コンピューターの処理能力の向上に伴い、扱うデータ量も膨大になっています。コンピューター同士が相互接続され、また、コンピュータと様々な機器が接続されることで、扱うデータ量の増大に拍車をかけています。それに伴い、うまくデータを処理する方法=良いアルゴリズムの開発が、ますます重要となっています。一方、大量のデータを扱えるからこそ、良いアルゴリズムを考案することで機械的に(自動的に)知識を得ることも可能となりつつあります。

 

そうです。情報オリンピックで競う、問題解決のために効率の良いアルゴリズムを設計し、それを適切に実装するという数理情報科学の能力は、今まさに必要とされているのです。